このブログは、英語を話せるようになりたい人や、子どもの英語学習に関心の高い保護者さんに向けて書いています。
ゆるく軽く書いています。
- こんなのでも中、高校時代は英語がまあまあ得意で
- 留学しなくても話せるようになって
- 国立の外国語大学に合格できて
- 念願の商社に就職できた
みたいなひとつの例として読んでいただければと思います。
前回のシリーズ(3)は、小学4年でローマ字を習って喜んでいた話でした。
今回はそのつづき(4)中学編です。
スタディサプリEnglish
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アルファベット以外はまったく無知で中学に
中学に入学して本格的な英語の授業が始まった。
昭和のほとんどの中学1年生がそうだったように、アルファベット以外はまったく無知という丸腰の状態で授業に臨んだ。
その頃の教科書は本文の中心人物が Ben くん。
話題がロンドンの Big Ben。
Ben だらけの中1教科書だった。
英語の先生は小さくてかわいいおじさんで、怒るときにサルのように「きいーっ」と叫んで生徒を笑わせた。
みんなボーズの13歳
同じクラスにたくましい下くちびるを持つ男子がいた。
土曜の夜8時に「全員集~合っ!」と叫んでいたあの方に似た男子だった。
もうひとり、人を笑わせることに命をかけているような野球部男子もいた。
みんなボーズの13歳。
新しい顔ぶれや授業に慣れた新緑のころ、英語の授業でいたずらが始まった。
「リピート アフター ミー」といつものように「きいーっ」の先生が言う。
新出単語に「teacher」があった。
きい先生が「teacher!」とリードする。
昭和の子は基本まじめだったから、クラス43人が一斉に大きな声でリピートする。
窓を開け放した木造校舎に13歳43人の声がこだまする。
その「teacher」リピートにまぎれて、笑い命の野球部が下くちびる男子を見て言うのだ。
「ベロ~ンチョ」。
先生には聞こえてないけど生徒にはしっかり聞こえる。
笑いをこらえて、僕らはヒイヒイ言いながら「teacher」と声をあげる。
中学校ってこんなに楽しいものなの?
昭和の中学の先生は怖かった。
しばく蹴るなんて、給食の牛乳飲むぐらいの茶飯事だ。
そんな教師がわんさかいるのに、だ。
笑わせることに命をかける。
小学校では経験しなかったスケールの大きなおちょくりに、僕らは大笑いした。
下くちびる男子も笑っている。
中学校ってこんなに楽しいものなのか。
少なくとも英語の授業、なかでも単語のリピートの間は一面満開お花畑だった。
次回(5)につづく。