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インドのマイソールで見た「幸せな家族」【バックパッカー旅回顧】

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インドのマイソールで見た「幸せな家族」・バックパッカー旅回顧

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Photo by Martin Jernberg on Unsplash

インドのいつもの光景

 

世界一周をめざして日本を出て9か月が過ぎていた。

旅は順調だ。

 

マハラジャ宮殿で有名な町マイソールの日が暮れかけていた。

道売りのバナナをひと房買って安宿に帰る途中だった。

駅前広場に沿ったヴィノバ通りを歩いているとゴミ捨て場の前を通りかかった。

 

ゴミ捨て場の家族

 

あたり一帯に充満したようなひどい臭いだ。
ただ臭いにも慣れた。

 

インドでは珍しくもない光景だけど、10歳ぐらいの少年がゴミの山に体を突っ込んでゴミをあさっていた。

 

彼の足元に泥色の布にくるまった女性が横たわっている。
母親らしい。
ゴミの集まるこの路上が彼らの住まいだ。

 

そのまま通りすぎようとして、足が止まった。

 

母親が体をくねらせ、泥色の布から這い出てきた。
四つん這いになって苦しそうなうめき声をあげている。

 

母親は胴を丸めて咳きこむと、体を浮き上がらせるようにして胃の中のものを吐いた。
顔が苦しさから涙で濡れている。

 

驚いた少年が走ってどこかへ消えた。

 

家族3人の劇場

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Photo by Braden Barwich on Unsplash

いたわり

 

数分後、少年は父親の手を引いて戻ってきた。

 

父親は心配そうな顔で妻の背中をさすり、声をかけている。 
彼女は何度も吐いた。
そのうちぐったりした。

 

周りには人垣ができている。
さすがのインドでもこの光景は痛ましい。
3人の家族を取り囲むように人垣ができ、成り行きを見つめている。

 

母親はぐったりして動かない。顔は苦痛でゆがんでいる。
父親が嘔吐物に土をかけ、素手で掃く。

 

少年は不安そうにオロオロしている。
人垣から声をかける人がいるが、私にはことばがわからない。

 

痛々しさに止めた足が動かない。

 

お前、食べろ

 

マイソールは高原の町だ。
日が暮れて冷えてきた。

 

母親が横たわる先に家族のペットだろうか、サルの母子が体を寄せて震えている。

 

少年がゴミの山から拾ったものを食べ始めた。
いくつかを父親に渡そうとするが父親はいらない、と受け取らない。
お前食べろとでも言ったのか。

 

そんな劇場のような道端の光景を20人ほどの人垣がじっと見つめている。
「固唾をのんで見まもる」とはこういう状態をいうのだろう。

 

幸せな家族

 

やがて母親が起きてきた。
苦しみが少しおさまったようだ。
見ている全員のほっとしたため息が聞こえそうな瞬間。

 

3人が並んで座った。
少年はうれしそうだ。歯を見せて笑う。
よかった。

 

やせた3人はあばら骨が浮き出ている。
気がつくと私は手のバナナを差し出していた。

 

もっと空腹なんだ

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父親が「ダンニャワード(ありがとう)」と言って手を伸ばしてくれた。
親子3人で食べてほしい。

 

ところがそのバナナを、父親はためらいもせずにポイとサルの母子に投げてやったのだ。
このインド人は自分と家族の空腹よりサルを優先するというのか。

 

人垣からひとりの紳士が父親に何か聞いた。
「サルはもう何日も何も食べてないそうだ」と紳士が説明してくれた。

 

日本を出て9か月。
ずっと陸路で地を這うようにここまで来た。
歩くたび、角を曲がるたびに想定外の光景が展開した。
たいていのことでは驚かないタフさが備わった気がしていた。

 

なのにこの家族はそれをひっくり返してきた。

 

少年は腹をすかせているだろうに、バナナを手にしたサルを見て喜んでいるのだ。

 

バブルの飽食の国から来た私はコテンパンにやられた気がした。

 

もう十分なのに、人間のようにバナナの皮をむく母ザルを見てまた驚いた。

母ザルはバナナの実をすべて子ザルに与えて、自分は皮だけを食べたのだ。

 

何か「負けた」気がした。

 

富む者が貧しい者に喜捨をする。
貧しい者は、より貧しい者に与える。
与える者は与えることで徳を積み、与えられる者は与える者に徳を積ませることが徳になる。
それがカーストの共存。
理屈では理解していたけれど、すさまじい例を見せつけられた。

 

彼らの宝もの

 

彼らの財産は泥色の布1枚。
ゴミ山の前のこの路上の一角。
何よりサルを含む家族。
それらに対する思いの強さ。

 

どのくらいこの場所に突っ立っていただろう。
母親はだいぶ良くなったようだ。
集まった人垣の前で少年が父親とじゃれ始める。
それを見た母親が嬉しそうに笑った。

 

安心した人たちがひとり二人と去っていく。
共に見守ったという一体感が心地よくて、帰っていく人の背中をしばらく眺めていた。

 

旅は深い。
奇跡の出会いとできごとを見せてくれる。
長くなってそろそろ日本に帰ろうかとも考えていたが、もう少しつづけようと考え直した。

 

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